髪の長さ15cmからできるヘアドネーション。髪の寄付によって小児がんや脱毛症のお子さまに医療用ウィッグをプレゼントする活動です。

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受付時間

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寄付者 66,000名
プレゼントウィッグ提供数 524名

プレゼントウィッグができるまで

ヘアドネーションした<ぼくの・わたしの>髪はどうなるの?

「ヘアドネーションした髪がどうなるのか知りたい」
そんな疑問を抱きつつも、詳しく知る術がなく、何となく気になったまま過ごされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

こちらのページでは、つな髪に寄付いただいた髪がどのような工程を経てウィッグになり、どんな方に届くのかをご紹介いたします。

髪質や長さによって作製されるウィッグが異なる、つな髪のプレゼントウィッグ。
あなたの髪がどんな医療用ウィッグに生まれ変わるのか、どうやって医療用ウィッグは作られるのか。ぜひご覧ください。
 

このページについて

このページに掲載されている内容は、
お子さまの夏休みの自由研究にもご使用いただけます。
ぜひお役立てください

ヘアドネーションした髪が医療用ウィッグになるまで

1.髪の到着

毎日たくさんの髪がつな髪に届きます

つな髪事務局には皆様の想いが込められた髪が、毎日たくさん届きます。

つな髪に届く髪の特徴
  • 1日平均50~80ほど
  • 15cm以上の髪と、31cm以上の髪の割合は73
  • 1年で最も多く届く時期は、春先夏前年末

個人の方からご家族さま、学校のクラス単位で送ってくださる方、そしてつな髪サポート店や一般美容室の方などさまざまな方から髪が届きます。
毎日届く髪を順番に仕分けられるように、日付ごとに封筒を分けて管理しています。
 

1年の中で髪が多く届く時期は、3月や6~7月、12月。
1年の節目や、暑くなる時期など、「髪を切りたい」そんなときに一緒にヘアドネーションくださる方が多い傾向にあります

2. 髪の仕分け

髪色と長さを確認し、分別します

先に到着した髪から順番に、つな髪事務局スタッフが封筒を開けて取り出します。
取り出した髪は、定規を用いて長さを測り、目視により髪色を確認し、傷まないよう丁寧に分けていきます。

つな髪では長さや髪色によって、5種類のプレゼントウィッグか、美容師練習用カットウィッグのいずれかに使用されます。

髪の分け方

◆ 髪色が暗い(黒に近い)場合

  • 15cm~31cmの髪
    インナーキャップウィッグ『肌優(はだやさ)®』
    ルームウィッグ『すずさら』
  • 31cm以上の髪
    オーガニックコットンフルウィッグ『ウィットン®』
    オーダーメイドフルウィッグ『フィールライン®』
    オーダーメイド部分ウィッグ

◆ 髪色が明るい場合

  • 長さごとに分けて、美容師練習用カットウィッグに。


現在のつな髪は4種類の分別用の箱に収めています。(2020年6月時点)

Point | より自然な医療用ウィッグをプレゼントするために。

なぜ髪色やくせで髪を分別するのでしょうか?後から染めたり、縮毛矯正するのはだめなのでしょうか。
疑問に思われる方も多いポイントの理由は、寄付いただいた髪に加工処理を行わないためです。

つな髪では、髪本来の質感を残したナチュラルな髪のウィッグを提供するために、薬品による髪の加工処理<染色やストレート加工>をせず、殺菌・消毒のみ行います。そのため、到着時の髪色・髪のくせがそのままウィッグに使用されることとなります。

お子さまが使用されるウィッグのため、暗い髪色のもの、そして加工が必要のないくせが少ない髪を医療用ウィッグ作製に使用させていただいております。
なぜ、髪の加工処理を行わないことがナチュラルな髪につながるのかは、下記「殺菌・消毒作業」の項目をご覧ください

3. 殺菌・消毒作業

髪へのダメージを最小限に抑えた工程

分別された髪は、作製するプレゼントウィッグに応じて、まとめて海外の工場に発送されます。

工場では、薬品消毒、熱処理・流水作業によって、髪を殺菌し、植毛のための準備を整えます。
このとき、一般的な人毛ウィッグ作製で行われる、髪の加工処理<染色やストレート加工>は行いません。薬剤を用いて髪の染色や加工を行うと、髪のキューティクルが剥がれてしまうためです。

 

キューティクルの役割

キューティクルは、髪の表面をうろこ状に覆っています。髪の油分と潤いを保ち、健康的なツヤを維持する、いわば髪を守る役割を果たしています。
また、ツヤだけではなく、髪が絡まないようにする性質や、傷まないように保つ耐久性も持っています。

染色や薬剤などで加工すると、キューティクルが剥がれます。通常の地肌から生えている髪の場合は、新しく髪が伸びるのを待つことができますが、ウィッグの髪は生え変わるということがありません。剥離したキューティクルを戻すこともできません。
 

寄付された髪が備えているキューティクルを、できる限り剥がさないように扱う。加工処理を行わない。そうすることで、ツヤがあり、手触りがよく、耐久性のある髪をウィッグに植毛することができます。
キューティクルを保持する耐久性のある髪は、ヘアカラーやパーマ、アイロンを用いたヘアアレンジなど、地毛と同じようなおしゃれを楽しむことができます。
 

キューティクルを保ったまま洗浄され、きれいになった髪は、お店で販売されている医療用ウィッグと同じ作り方で、いよいよ植毛されます。

髪の表面のキューティクル(イメージ)

Point | 髪がウィッグになるまでの待合室

髪の長さや色ごとに分けられた髪は、つな髪の専用倉庫にて、一時保管されます。
プレゼントウィッグのお申込受付や、希望者へのご連絡などの準備が整い次第、必要な量の髪が海外に発送されます。

いわばこちらの倉庫は、髪がウィッグになるまでの待合室です。発送されるその時まで、髪は静かに息を潜めて待っているかのようです

 

4. 植毛

1つあたり3キログラムの髪を使用

殺菌されきれいになった髪を、職人が1本1本手作業で植毛します。
頭をすっぽりと覆うフルウィッグを作るために必要な髪の量は、20~30人分。およそ3キログラム。

3キログラムの中からさらに使える髪を選別し、髪をベース生地一面に植毛していきます。

 

身近なTシャツなどの布を引っ張ってみてください。
細かい繊維の目が見えるでしょうか。
糸と糸が交差する編み目に、髪を通して結ぶのが植毛です。

植毛方法

植毛とは、ウィッグの頭皮にあたる「ベース生地」に髪を結びつけることです。
ウィッグのベース生地は通常、通気性の良いナイロンなどの化学繊維を使用した、頭部を覆う帽子のような形状です。

プレゼントウィッグには、オーガニックコットンを使用したものもありますが、いずれも繊維の小さな網目に、髪を1本ずつ通し、ほどけないように結んでいくことで、ベース生地から髪が生えているような姿になります。



 

植毛に欠かせない重要なポイント

植毛に使うのは植毛針一本。とても神経を使う、根気のいる作業です。
また、植毛の際には髪を結ぶことだけを気にすればいいわけではありません。自然な髪を再現するために、2つの工夫が必要です。
 

1つ目は、髪の上下<根本と毛先>を揃えることです。ここでいう根本とは、寄付いただいたときの髪の切り口です。
キューティクルが残った髪の上下をバラバラにすると、うろこ状のキューティクルによって髪が互いに絡まり、くしゃくしゃになってしまいます。上下を揃えて初めて、キューティクルは絡みにくさ、手触りの良さを発揮します。せっかく
残したキューティクルを台無しにしないためにも、必ず上下は揃えなければなりません。
 

2つ目は、髪の向き<進行方向>です。人間の髪の毛はまっすぐ下に向いているように見えますが、実は生えている場所によって髪の進行方向があります。頭頂部の髪は正面に向かって生えていたり、つむじから生えている髪は独特の膨らみがあったり…。自然な毛流れを再現するためには、そうした工夫も欠かせません。


手触りや毛流れは、ウィッグの見た目の自然さや質感を左右する、重要なポイントです。つな髪では、時間はかかるものの、1本1本人の手で確認し、コントロールしながら植毛できる手植え形式を採用しています。

微細に調節しながら植毛することで、寄付いただいた髪のナチュラルさを引き立て、自然な見た目の医療用ウィッグを作製します。

 

インナーキャップウィッグ肌優。
マークされた箇所が帽子のため、植毛不要。

Point | 植毛方法と短い髪でも植毛できる『肌優®』のお話

植毛とは生地の繊維の目に髪を結びつけることとお話しました。
では、どのように結ぶのでしょうか。ウィッグは一度植毛した髪が増えたり伸びることはありません。そのため髪が抜けないように、髪を結ぶときには二つ折りにして、しっかりと結びます。

どの髪も二つ折りにされるため、寄付いただいた髪を植毛すると、実際の長さよりも短くなります。そのため、頭頂部から髪の毛先までを覆う必要があるフルウィッグ作製には、31cm以上の長い髪を使用します。


プレゼントウィッグの中でも、肌優は、短い髪でも植毛することができるインナーキャップウィッグです。
帽子をかぶって着用するため、頭頂部の植毛が必要ありません。短い髪でも植毛することができる「肌優」は、ヘアドネーションとしては特殊なウィッグと言えるかもしれません

5. 完成と到着

完成した5種類のプレゼントウィッグはお子さまのもとへ。

髪の仕分けから植毛まで。使用される方のストレスを減らすため、たくさんの工夫が凝らされて完成したプレゼントウィッグは、海外の工場からつな髪事務局に返送されます。
完成したウィッグに問題がないかを確認した後、医療用ウィッグ専門美容師がシャンプーとブローをして整えます。

作られたプレゼントウィッグは専用の箱におさめられ、ウィッグを待っている子供たちのもとへ届けられます。
カットを希望される方には、直営サロンにて個別にカットを行ってから、ウィッグをお渡しします。

 

ご寄付いただいた髪が到着してから、プレゼントウィッグを待つお子さまの手元に届くまで、およそ2ヶ月半ほど。
寄付者様が髪を伸ばしてくださった時間を含めれば、もっと長い時間。

想いがたくさん込められたプレゼントウィッグは、お子さまの手元に届いてようやく、完成となります。

左:オーダーメイドウィッグ
右:オーガニックコットンウィッグ

Point | 同じに見えても異なる、ウィッグの違い

プレゼントウィッグの中でもフルウィッグに分類されている、オーダーメイドウィッグとオーガニックコットンウィッグ。同じフルウィッグなのに、何が違うのか、気になりませんか?

二つの違いは、ウィッグの作製方法です。オーダーメイドではない通常のフルウィッグは、ウィッグのサイズ<SSサイズ、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ>が決まっています。使用される方は自分に近いサイズ(頭周り)と髪型の組み合わせを選んで着用します。

プレゼントウィッグのオーガニックコットンウィッグ『witton(ウィットン®)』は、セミオーダーウィッグと呼ばれるもので、サイズは決まっていますが、髪型は希望に合わせて自由に変えることができます。通常のフルウィッグも、セミオーダーウィッグもどちらも、すぐにお渡しできることが特長です。抗がん剤治療や急速に進行してしまう脱毛症など、すぐに使用できるウィッグが必要な方に適しています。


サイズが決まっているセミオーダーなどに対して、オーダーメイドウィッグはその名の通り、使用される方の頭の形やフェイスライン(おでこやもみあげ、生え際の位置)を採寸し、一人一人に合わせて作製します。人によって形が違う部位をしっかりと測ることで、より自然な生え際に見せることができます。型取りを行ってからウィッグのベース生地を作り、髪を植毛するため、作製には少し時間がかかります。

ぱっと見が同じに見えても、医療用ウィッグが持っている機能は異なります。ご興味のある方は、ぜひ、下記ページより、プレゼントウィッグそれぞれの特長をご覧ください

~ 美容師練習用ウィッグとは? ~

医療用ウィッグ使用者の未来を支えるウィッグ

医療用ウィッグのカットは、通常のヘアカットとは異なり、失敗したら伸びた髪で馴染ませる、ということができません。ヘアカラーで誤ってベース生地を染めてしまった場合も、頭皮とは違い元に戻りません。植毛した髪は伸びることがなく、ベース生地に付着した染料を、髪が抜けないように落とすことは難しいからです。

失敗が決して許されないという点で、医療用ウィッグのカットには、高度な技術が必要と言えます。


医療用ウィッグは、症状や使い方によっては使用者の毎日を共にするものです。少しの失敗による違和感が、日々のストレスや不安の要因になってしまいます。

病気の症状で苦しんでいる方のストレスを軽減するためにも、医療用ウィッグをちゃんと切れる人材「医療用ウィッグの美容師」が医療用ウィッグ業界には必要です。
 

練習用ウィッグは、そうした人材を育成するために使用されます。
医療用ウィッグを切れる美容師がたくさん育てば、医療用ウィッグ使用者の髪はもっと自由に、おしゃれに過ごすことができ、生活も支えることができるという考えのもと行われている取り組みです。

プレゼントウィッグは髪に悩みを持つ子どもたちの今を、美容師練習用ウィッグは髪に悩みを持つすべての方の未来を支えるウィッグです。

これからも、ご寄付いただいた方の想いをつなげられるように、それぞれの最適な活動のカタチを模索していきます。ご理解いただけると幸いです。

終わりに

いかがでしたでしょうか。
想いを込めて伸ばした髪が、どうなるかはきっととても気になるポイントだと思います。
つな髪に寄付したら、髪はどうなるのか、少しでも伝わると大変嬉しいです。

つな髪はこれからも皆様の想いを尊重しながら、髪に悩みを抱える方をサポートできるような活動を続けてまいります。

 

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